こんにちは。

今回は、Visual Studio 2015 Communityのインストール方法を説明します。
また当講座ではCMakeも使いますので、WindowsへのCMakeのインストール方法も説明します。

1.Visual Studioの準備

手順としては簡単で下記3つです。

  1. ダウンロードする
  2. インストールする
  3. Visual Studioへサインインする

2.は約2時間程待たされます。その間は他のことをしていても良いですので、ご飯でも食べてTVでも見ながらゆっくり待てる時に始めましょう。

また、サインインしない場合、30日間Visual Studio 2015 Communityを使えますが、その後使えなくなるようです。サインインしておくことをお勧めします。サインインしたくない場合は次回説明するubuntuを使うことをご検討下さい。

なお、サインインするためには「ユーザーを最も的確に表す職場や学校のアカウント」、もしくは、「マイクロソフト・アカウント」が必要です。
前者については、私も良く分かりませんので所属する職場や会社の管理者にご確認下さい。
後者については、無料でマイクロソフト・アカウントを取得できますので、取得してからインストール作業を初めて下さい。

1-1. Visual Studio 2015 Communityのダウンロード
1-1-1.マイクロソフトのサイトへ行きます。
1-1-2.ダウンロードを押します。

1-1-3.Free downloadを押します。

1-1-4.ちょっとしたアンケートを求められます。協力しない時はNo thanksを押して下さい。

1-1-5.最後に実行を押して下さい。インストールが始まります。

 

1-2. Visual Studio 2015 Communityのインストール

続けてインストールします。

1-2-1.インストーラが起動するのを数十秒待って下さい。

1-2-2.オプションを設定します。

デフォルトではVisull C++がインストールされません。
カスタムを選択し、「Visual C++ 2015用の共通ツール」を必ずチェックして下さい。

1-2-3.ユーザアカウント制御がインストール許可を求めてくるので許可して下さい。

1-2-4.約2時間、インストールが終わるのを待って下さい。

1-2-5.この画面が出たらインストール完了です。起動(L)を押して、サインインに進みます。

 

1-3. サインイン

続けてVisual Studioへサインインします。

1-3-1.サインインの画面です。サインインポタンを押して進めます。

1-3-2.登録したメール・アドレスを入力して下さい。

1-3-3.ちょっと待つと画面が変わりパスワードを聞かれますので入力して下さい。

1-3-4.Visual Studio Team Services用のドメインが取れるようです。必要なければそのままContinueして下さい。

1-3-5.そのまま2~3分程待って下さい。

1-3-6.Visual Studio 2015 Communityが起動します。

以上でVisual Studioのインストール完了です。Visual Studioを終了して下さい。

2.CMakeの準備

手順としては簡単で下記2つです。全部で数分で終わります。

  1. ダウンロードする
  2. インストールする
2-1. CMakeのダウンロード
2-1-1.CMakeのサイトへ行きます。
2-1-2.Download Latest Releaseを押します。

2-1-3.お使いのWindowsが64bit版ならcmake-x.x.x-win64x64.msi、32bit版ならcmake-x.x.x-win32-x86.msiを選択し、実行します。

ダウンロード後、インストールが始まります。

2-2. CMakeのインストール
2-2-1.CMakeのインストールを始めます。

2-2-2.ライセンスに合意できたら、合意チェックポックスにチェックを入れてNextを押して下さい。

2-2-3.CMakeにPATHを通すため、中央(ユーザ全員)、もしくは、一番下(カレント・ユーザのみ)を選択して下さい。

2-2-4.インストール先を選択して下さい。

2-2-5.インストールを始めます。

2-2-6.ユーザアカウント制御がインストール許可を求めてくるので許可して下さい。

2-2-7.インストール完了を1分程待って下さい。

2-2-8.この画面が表示されたらインストール完了です。

3.ビルドできることの確認

正常にインストールできていることを確認するため、恒例のHallo, World!!を表示するプログラムをビルドして走らせます。

3-1.ソースとCMakeLists.txt作成

まず、C++言語のソースを作って下さい。
hello.cpp

#include <iostream>

int main()
{
    std::cout << "Hello, World!!\n";
    return 0;
}

次に、CMakeのプロジェクト生成用のファイルを作って下さい。このファイルは名前が決まっています。常にCMakeLists.txtです。

project(hello)
add_executable(hello hello.cpp)

project(hello)はシステムに搭載されているコンパイラ(処理系)を確認(コンパイル動作などを行います)し、ビルド用のパラメータのデフォルト値を決定します。CMakeを使う場合のおまじないのような文ですが、非常に高度な処理が行われます。
なお、project文で指定しているhelloにはあまり意味はあません。Visual Studioの場合はソリューション名になります。

add_executable(hello hello.cpp)は、アプリケーション・プログラムの生成を指定しています。ソース・ファイルはhello.cppで実行形式のファイル名がhelloです。(Windowsの場合は拡張子.exeが付加されます。)
Visual Studioの場合、このhelloはプロジェクト名になります。

3-2.ビルドと実行
3-2-1.ビルド・プロジェクトの生成

コマンド・プロンプトを起動し、上記2つのファイルを保存したフォルダへ移動して下さい。
そして、下記コマンドを実行して下さい。これでビルド用のプロジェクトが生成されます。

> mkdir build
> cd build
> cmake ..

最後のcmake ..コマンドで、Visual Studioのソリューション・ファイル群が生成されます。
通常は-Gオプションで「ジェネレータ」を指定して、コンパイラ(処理系)を指定します。
Windowsで-Gオプションを省略すると最新版のVisual Studioが選択されるようです。
その結果、以下のように表示されます。

“Build files”がVisual Studioのソリューション・ファイルですので、最後の”– Build files have been written to: C:/cpp-school1/01.hello/build”にてソリューション・ファイルが出力されています。
これが出ていない時は、CMakeLists.txtかソース群になにか問題があります。CMakeのエラー・メッセージをよく見ると何が原因か分かります。

3-2-2.コマンド・ラインによるビルドと実行

このままコマンド・プロンプトでビルドし実行できます。

> cmake --build . --config Release
> Release\hello.exe

cmake –buildコマンドは、Visual Studioのソリューションを使ってコマンド・プロンプトでビルドします。
–config Releaseにてリリース・モードのビルドを指定しています。–config Debugとすればデバッグ・モードでビルドします。
実行形式ファイルは、Releaseフォルダの下に生成されますので、次のコマンドで実行されます。
以上により、次のように表示されます。

3-2-3.Visual Studioによるビルドと実行

最後にVisual Studioでデバックすることもできます。hello.slnをダブルクリックして下さい。
Visual Studioが起動します。

まず最初にhelloをデバッグ対象に設定します。それにはソリューション エクスプローラに表示されている hello を右クリックし、「スタートアップ プロジェクトに設定(A)」をクリックして下さい。

そして、「ローカル Windowsデバッガー」をクリックするとビルドして実行されます。
しかし、折角実行した時のウィンドウが直ぐに閉じてしまうため、結果が見えません。
Ctrl + F5キーを押せば、プログラムが起動しプログラム終了後ウィンドウが残るので結果を確認できます。(なお、このモードはデバッガを起動していないためブレーク・ポイントで停止しません。)

以上でWindows用開発環境の準備は完了です。お疲れ様でした。
4.次回予告

次回は「Code::Blocksを準備する」として、ubuntu上へのCode:BlocksとCMakeのインストール手順を説明しますが、その前にWindows上にVirtualBoxをインストールしてその上にubuntu 16.04 LTSをインストールする手順も説明します。
linuxを触ってみたい方やlinux上でC++を学びたい方は是非御覧ください。

12月30日(金) 24:00公開予定です。